2017年6月17日土曜日

週刊葛生 第六十九号 世界が羽ばたく葛生編

 みなさんこんばんは。博士2年のMです。

 今、再び栃木に来ています。なぜか、それは、話すと長くなります。




 今週前半、ペルム紀−三畳紀境界に起きた絶滅事変についての国際会議が仙台で開かれ、そこに参加していました。


学会会場の東北大学です。

 世界各国から研究者が集まっています。
集合写真です!

 私も発表をしたのですが、当然自分の発表中は撮影ができません。きっと一緒にいた高橋先生がそのうち画像をアップしてくれるでしょう。

 国際会議にはエキシビションの展示もあり、高橋先生とわたしが研究している深海堆積岩も展示しました。


安家森を世界に知らしめた、幸運のヒンデオダスです。

 さて、会議が終わったあとには、この機会を活かすために海外の参加者の一部をつれて巡検に行きます。


新幹線で仙台を後にします。

 向かった先は。。。


前回のブログからお分かりですね?

 そう、葛生です!!!!!!!

 しかも、私が研究してきた大釜に海外の研究者が見学に来ることになりました。
大釜の露頭の変形部を観察する参加者です。

 先週の葛生調査は、この巡検の下見でもあった訳ですね。

 まさか、5年前に私たちが掘り出すまで存在しなかったこの露頭がこんな注目の的になるとは。感涙を禁じ得ませんね。気持ちがこもていないって?いやいや、ホントですよ。


大釜の露頭前で記念撮影。露頭がへぼすぎてあまり映っていないのがポイントですね!

 また、大釜の露頭では立派なコノドントを見つけることができ、海外からの参加者に良いお土産を渡せました。


渡してあげたコノドントを見てご満悦のコノドントの専門家Zhao Laishi教授(中国)。

 露頭の規模としては海外には全く負けるので、どう反応されるか疑問だったのですが、意外にも大釜で過ごす予定だった1時間30分は一瞬で過ぎ、時間が足りないくらいでした。

移動の時間になっても名残惜しげな参加者たち。


 午前に大釜を見学したあとは、葛生の町に戻ります。


葛生市内の料亭味楽で昼食をとりました。

 そして、午後は吉澤石灰さんの協力のもと、鉱山内の石灰岩露頭を観察しました。


鉱山内までバスで入ります。運転手さんもたいへんです。

 ペルム紀の石灰岩は、中国にも多く見られるそうで、中国から来た研究者たちが日本と中国の類似点を見つけて話してくれました。
鍋山層の石灰岩を観察するZhao Laishi教授(中国,写真中央)、Jinnan Tong教授(中国,写真左奥)ら。

 一方、日本の付加体に見られる石灰岩には特異な構造もあり、海外の石灰岩のスペシャリストも食い入るように露頭にへばりついていました。イギリスから来ていた専門家は、「この露頭は1ヶ月かけて念入りに記載すべきだ!」とおっしゃっていました。


意見を交わすStephen Kershaw教授(イギリス,写真左)と荒川竜一さん。世界各地で研究をする炭酸塩岩の専門家と葛生を知り尽くす地域地質の専門家が出合うすばらしい瞬間です。

 やはり鉱山露頭は露出がすばらしいです。吉澤石灰さんには大感謝です。それに、天気にも恵まれて良かったです。
鉱山の下部の石灰岩層も、ちょうど採掘が終わったところで見学させて頂けました。



 ところで、このブログのタイトルが「世界に羽ばたく葛生編」の間違いだと思っている方もいるかもしれませんが、違いますよ?葛生が羽ばたくには、この世界は狭すぎます。世界の研究者が葛生に来て羽ばたくんです。


 夜は、地鶏料理屋で飲み会があり、楽しく巡検を終えました。


日本食は割りと皆さんに受けが良いです。

 巡検はこのあと岩手へ場所を移します。しかし、来週は私は津久見に調査に行きます。

 ということで、次回号の内容は未定です。


 それでは、ごきげんよう。さようなら。
 

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