2015年8月22日土曜日

週刊葛生 第二十一号 鉱山露頭編

 みなさんこんばんは。修士2年のMです。


 前回は海岸露頭の紹介だったので、今回は



 鉱山露頭です。


鉱山の親方 ダッフィー
from 『天空の城ラピュタ』


 鉱山では、ダイナマイトで岩をぶっ飛ばすので、かなり新鮮な岩石や、自然には露頭になりにくい風化に弱い岩石が露出する事が有ります。常に掘り進められているので露頭がなくなってしまったり、入山に許可が必要だったりと、欠点も有りますが。


 日本にもう鉱山なんてないって思ってる方もいるかもしれません。実はまだまだたくさん有るんです。


 今時何を掘ってるかって?石灰岩ですよ。なぜなら日本には、付加体に含まれる元海山頂部の石灰岩がたっくさん有りますから(付加体を忘れちゃった人はここをクリック!!)。海山頂部のでできた石灰岩は純度が高く、製鉄などに使うのに最適だそうです。

 では、そんなピュアな石灰岩が採れる鉱山を紹介しちゃいましょう!



武甲山(埼玉県秩父市/横瀬町)

 武甲山は秩父盆地を見下ろす石灰岩の山です。マヤのピラミッドみたいですねぇ。ちなみに、掘られていない側は緑色岩、つまり、海山を作っていた玄武岩が変成した岩石だそうです。



叶山(群馬県神流町)

 山がすっぱり削り取られているのは群馬県神流町にある叶山です。すごい事しますね。ちなみに、ここで採った石灰岩は30 km以上ベルトコンベアーに乗って秩父盆地の工場まで行きます。それもすごいですね。


毘沙門山(埼玉県小鹿野町)

 こちらは既に廃鉱となった鉱山です。ちなみに、稼働中の鉱山は許可無しに入ったらダメ絶対ですよ。



 そして、鉱山露頭と言えば忘れてはいけないのが

大釜鉱山(跡)(栃木県佐野市)

 そう、葛生ですよ。葛生は立派な石灰鉱山町です。私の研究した露頭も、鉱山跡の端っこに露出しているんです。



 日本の鉱山は今となってはほとんどが石灰を採っていますが、他にも珪砂を採る所が有ります。


 こちらは大分県東部のどこかしらにある採石場です。手元にノートがないので、詳しい事は分かりません。写真の右の方に入っている白い縞縞は、チャートの間に挟まる遠洋性石灰岩です。これは海山の石灰岩とは違って、深海底に積もったものです。


 今では稼働していなくとも、昔鉱山が有った所には露頭が残っていたりします。そんな所に行くと、日本でも採鉱が盛んだった往時が偲ばれます。代表で一つ。


秩父鉱山道伸窪鉱(跡)(埼玉県秩父市)

 岩が赤いですね。そう、鉄です。ここは磁鉄鉱の露天掘跡だったそうです。今でも日本有数の埋蔵量を誇るとか。なぜ廃鉱になったかは、行けば分かります。



 なんだかうんちくの多い回になってしまいました。

 それでは、ごきげんよう。さようなら。

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