2018年10月14日日曜日

週間葛生 第九十九号 光 編

 みなさんこんばんは。博士3年のMです。


 かなり久々になっていますね。まあ、特に更新されようがされまいが人々にとっては何ら関係ないブログですしね。


 とはいえ、特にネタもないんです。

 ネタといえば
何という眩さ!

 しばらく前に廊下の電球が追加されました。以前とは見違えるような明るさです。


before
after ほぼ同じ画角です。

 おかげでポスターもよく見えますね。
ポスターを貼った甲斐がありますね。

 部屋から見ても外の廊下が明るいのはいいですね。


外が見えるだけですがね。

 実は、この建物の中でも明るくされたのは一部らしいですが。反対側の棟は暗いままらしいですが、あっちはエレベーターふたつあるし、少しくらいこっちが優遇されてもいいですよね?


 他にネタといえば、白衣を変えました。どうでもいいですね。
前の白衣は白衣じゃなくなりました。




 それでは、ごきげんよう。さようなら。

2018年8月16日木曜日

週間葛生 第九十八号 驕れる者久しからず編

 みなさんこんばんは。博士3年のMです。


 かなり更新が滞っていました。


 この間、京都の調査地に行っていました。やったこと自体はちょっとしたサンプリングで大したことないのですが、調査地はあの西日本豪雨の被害を受けた地域の一つです。


 以前お世話になった地元の方々はご無事で何よりでした。

芦見谷の下流は大きな被害はありませんでした。


 しかし、林道は途中で倒木が覆いかぶさっていて通れなくなっていました。
おやおや。。。

 ただ、これは序の口に過ぎません。


 露頭の近くでは・・・

林道はどこへ消えたのでしょう?

 この写真の視点は以前の林道くらいの高さなのですが、目の前に土砂の壁が立ちはだかります。林道はどこへ?


 原因はこれです。対岸の土砂崩れが、谷を塞いで林道も埋めてしまったのです。

高さ70 m、幅は100 m以上ある大崩落です。

 上流には小さい堰き止め湖ができていました。

魚が泳いで私を笑っていました。

 私の露頭は。。。
露頭消滅です。
 何でしょうね、これは。

 以前はこんな感じだったんですが。
左岸の部分が全部埋まってしまいました。


 こちらの露頭は
before
after


 崖沿いだったので被覆は軽症ですが、どれだけ大きい石が転がってきたのかがわかります。


 この露頭の特徴だった黒と灰色のシマシマも
一昨年の秋の写真です。
 うず高く積まれた土砂の下になりました。
露頭の上に1 m以上の土砂が積もりました。


 以前に落ち葉や土をどかして見やすくしたのですが、自然には全く太刀打ちできませんね。人間の行いは儚いものです。


 四半世紀前から研究されてきた露頭ですが、もはやこれまでですかね。



 一方で、別の場所では川で露頭が磨かれて綺麗になっていたところも。


こちらは前見えていなかったところまで見えるようになってました。

 最後に、私は露頭がああなったこうなったで済んでいるのですが、この豪雨で被害を受けられた方々には心よりお見舞い申し上げたいと思います。


 それでは、ごきげんよう。さようなら。

2018年6月29日金曜日

週刊葛生 第九十七号 コノドント探し、バージョンアップ編

 みなさんこんばんは。博士3年のMです。

 以前に室内でコノドントを探す方法を紹介しました。

 その後月日が経って、我が社も随分と技術が進歩しました!こちらがその様子です。

コノドント探しバージョン2016です!

 以前のバージョンと比べてみましょう。

こちらはバージョン2013です。

 ・・・・・・・。違いがわからないですって!?

 まずは、ザルの大きさです。以前は直径20 cm弱のものを使っていましたが、現在は24 cmに格上げしています!


いっぱいにすると結構重いです。

 水なら3 L以上入り、写真の状態では約3 kgの割った石と2 Lの水が入っています。

 これなら、一杯でだいたい一つの試料の仕事ができますね。

 ちなみに、水に濡らさずに乾いた石で化石を探すこともあります。


 それから、顕微鏡の下に発泡スチロールの台を敷いて、顕微鏡と頭の高さを合わせました。


 さらに、奥にコノドント付きの岩片を入れるカゴを2つ置いています。
顕微鏡の左にある色鉛筆でコノドントを丸で囲みます。


 この段階で、大雑把の分類してしまうためです。

 ちなみに、奥のコンピューターに水がかからないよう、サンプル袋をかぶせています。




 すごい技術の進歩ですね!

 しかし、コノドントを探すのに最も大切なのは、こんな姑息なバージョンアップではなく、
アシタカ from 『もののけ姫』

 そう、曇りなき眼です。


 ちなみに、こうやって地質時代を眺めていると、視力が良くなるそうです。詳しくはこちらから・・・



 それでは、ごきげんよう。さようなら。

2018年6月17日日曜日

週刊葛生 第九十六号 ビストロ編

 みなさんこんばんは。博士3年のMです。


 梅雨ですねぇ。


 さあ、今回は、梅雨明けを見据えて、みなさんに野外でのお料理について教えちゃいますよ!


 ということで、ビストロ編と称して、野外での食事の例をお見せしていきます。では早速。
どうやっても不味くならないのは、カレーです。ビーフカレーです。

 必要なものは、カレールー、人参、玉ねぎ。いずれも荷物の中に転がしておけます。ただし、可能な時は肉を入手して、茹でてぶち込み、、体力をつけます。
こちらはチキンカレーです。

 私はどちらかというと鶏肉入りの方が好みですね。

フルコースですね!


 そして、野外の飯といえばやはり、

アルファ米と鯖缶!

 昨年は何食食ったことか。ちょっと鯖缶が好きじゃなくなりました。


 しかし、アルファ米は高価ですし、普通に米を炊くとなると時間が結構かかります。もっと手っ取り早いのは、パスタです。

たらこパスタです!上のクスリはなんでしょう!?

 まあ、普通に早いですよね。たらこソースなんかは後始末も簡単です。

パスタでも鯖缶が大活躍!鯖の水煮を加えた鯖ペペロンチーノです!

 一手間加えるのもアリでしょう。特に、体力がいるときにはタンパク質を足したいですね。


 応用として、こんなのもあります。お腹に優しいです。

群馬の道の駅で買った地元のうどんを食べた時です。



 あと、先ほどからちょくちょく出てきますが、スープをよく作っています。野菜を取るためでもあります。
ここでも安定の人参と玉ねぎです。鯖缶をまな板にして切ります。


 夜作ったものを保存しておき、朝加熱して食べると、朝から温かいものも食えるし、出発も早くて良いです。

朝、ビストロ開店です!手前でスープをあっためてます。奥は見ちゃダメ!


 ここからは番外編です。


 特殊な例ですが、イノシシのスペアリブを分けてもらった時、焚き火で焼いて食べました。激ウマ!

これはもう二度とないかもしれません。
 ちなみに、この焚き火で野菜のゴミや鯖缶についた油を燃やしておけば、山の中でも獣を寄せ付けずに済みます。

全てを焼き尽くします。



 もはや野外ではないですが、これは津久見名物。

津久見に行きたいなぁ〜、って思っちゃいます。

 3枚おろしの技を磨きました。
実はこれ、最初のトライでちょっと失敗しました。

 皆様も津久見へお越しの際は、ぜひ朝とれたての魚を食べてみてください。



 それでは、ごきげんよう。さようなら。

2018年5月27日日曜日

週刊葛生 第九十五号 放散虫の墓場編

 みなさんこんばんは。博士3年のMです。


 最近は学会があったり、書類を書いたり大忙しです。そこまでして一体何を得ようというのか?


「良いではないか。天土の間にあるすべてのものを欲するは、人間の業というものだ。」
by ジコ坊 from『ものののけ姫』

 このセリフは個人的にジブリで1、2を争う名台詞です!


 それはさておき、学会用に撮った写真で思うことがあったのでそのネタでいこうと思います。


 写真といっても、電子顕微鏡写真です。


「なんとも、おびただしい数だな。」というためのネタではないですよ?

 よくわからない方のために、拡大写真をお見せしましょう。


ちょっと、見てはいけないものを見た気持ちにもなりました。

 たくさんの放散虫の屍ですね。これは、チャートの切断面をフッ酸で腐食したものです。チャートが放散虫でできていることが直感的にわかりますね。


 これを見て、私は思い出したものがあります。


『風の谷のナウシカ』の一コマです。

 どの場面だったか、お分かりでしょうか?


「永い浄化の時が始まったのです」
『風の谷のナウシカ』5巻より。

 ナウシカが「虚無」と対話している場面ですね。


 ちなみに、永い浄化の時を経るとこうなります。


同じチャートですが、放散虫は跡形もなく溶けています。

 うそです。


 そのうち私も浄化されてしまうのでしょうか。。。



 それでは、ごきげんよう。さようなら。

2018年5月11日金曜日

週刊葛生 第九十四号 固着編

 みなさんこんばんは。博士3年のMです。


 ニュージーランド編も終わり、特にネタもありません。



 最近は院生室の椅子に座りっぱなしです。


 こんなのでは、固着性生物になりそうです。


 固着性生物といえば

オーストラリアの標本です。

 腕足動物ですね。


 二枚貝に似てますけどね。

こちらはオーストラリアの二枚貝です。


 二枚貝の方がだいぶ動くんですよ。固着していた腕足たちは、古生代にはだいぶはびこっていたのですが、古生代末にはだいぶ絶滅し、今は二枚貝の足元にも及ばない存在感です。

絵の不正確さには目をつぶってください。


 いかん、このままでは絶滅してしまう!

 進捗はなくてもお腹はすくもので、固着しないために生協まで足を運び、こんなものを買ってます。

忍者めしの姉妹商品でしょうか?
 これって狩人じゃなくて侍じゃあないですかねぇ?


脳に糖分を・・・
 こちらはずいぶん爽やかな感じですが、


「残業していきましょう!」
 爽やかに残業を勧めていますね。天使の顔をした悪魔でしょうか?



 中身のない回ですね。

 それでは、ごきげんよう。さようなら。

2018年5月5日土曜日

週刊葛生 第九十三号 ペルム紀のシーフードチャウダー編

 みなさんこんばんは。博士3年のMです。


 今回でニュージーランド2018は最終回です。たぶん。


 今回は、南島南部のプロダクタスクリークというところについてです。


 私有地の農地の奥にある小さな谷で、行くにはかなり手間がかかります。


許可をもらって私有地に入り、羊の群れをかき分けて行きます。めっちゃこっち見てますね。


 最後は車が通れないので、徒歩でアプローチします。


ホビットの冒険のようですね。

 以前は地層がたくさん露出していたそうなのですが、行ってみると藪に覆われてしまっていました。
しかもトゲトゲの藪でタチが悪いです。

 
 それでも、なんとか露頭を見つけることができ、
 
結構大きな露頭が見つかりました!


 化石も出てきました。


小さな腕足動物です!



 探していると随分な大物も。


石を粉砕して密集層を探します。

 二枚貝や腕足動物が盛りだくさんで、先週お見せしたシーフードチャウダーのペルム紀バージョンみたいです。


中央に巨大な二枚貝、白いのは腕足動物です!

 こちらは、味付けに葉っぱも入っています。


中央やや上とやや下、右端などにある筋の入った黒いものが葉っぱです。


 曇天の中でしたが、とても充実したフィールドでした。


帰りもホビットの冒険です。


 また、純粋に景色もすごかったです。


本来の自然の姿ではないのですが、それでも壮大ですね。
トラックの屋根からの景色です。
馬の影がかっこいいです!

 また行きたいところですね。


 それでは、ごきげんよう。さようなら。