2017年7月22日土曜日

週刊葛生 第七十三号 いまさら秋田編

 みなさんこんばんは。博士2年のMです。


 明日から(もう今日ですが)東京大学地球惑星科学専攻のシステム講座の多くの人たちは秋田で巡検をするそうです。



 すごいですねぇ。





 ということで、今更ながら我らが研究室の昨年の秋田調査に参加した様子をお見せしようと思います。

 私は、1学年上の黒川さん(当時D2)と2学年下の神崎くん(当時M1)が行う調査に傭兵として同行しました。あぁ、賃金は発生していないので、どちらかと言うと志願兵ですかね。


 私は主に神崎くんのフィールドに配属されました。


どぶ川小川の脇の露頭を観察する神崎くん。

 神崎くんのフィールドは、こんな感じの、お世辞にも露出が良いとは言えない地域でした。
泥アンド草アンド汗です!


 それでも草を掻き分け、常に泥水に浸かりながら調査します。塹壕戦みたいですね。

 今回のシステム講座の巡検ではここには行けないそうで。残念!


 時にはちょっとしたご褒美も。


ちょっと良い露頭を、ここぞとばかりにじっくり見る神崎くん。



 黒川さんのフィールドにも行きましたが、こちらは、まあ、格差を感じましたね。


これが修論を書いた人と書く前の人の差なんです!・・・・と言うのは嘘です。


 なんだかこの先秋田は天気が悪いようですが、私も秋田は雨のイメージですね。


雨が強いのでザックカバーをかけています。

 まあ、どうせ足下はいつもずぶ濡れだし、どうでも良いって感じですがね。


あまりの湿気にカメラが曇っています。


 思い返しても、楽しい調査でしたなぁ。


 膨大なサンプルを協力して採ったり。
20 cmおきに採られたサンプルたちの列です。


 ダート道を走って新しい露頭を見つけたり。
新しい林道には新しい出会いがあります。

 崖の上のサンプルを採りに行ったり。
そうまでして欲しかったサンプルとは一体、なんなのでしょう笑?

 みんなで薮こぎして露頭を探したり。
黒川さんとのフィールドでの珍しい2ショットです!



 それでは、ごきげんよう。さようなら。

2017年7月14日金曜日

週刊葛生 第七十二号 IGCP630安家巡検編

 みなさんこんばんは。博士2年のMです。


 さてさて、今回は何回か前にやった国際会議IGCP630の巡検の続きの話です。

 葛生で巡検があった話をしましたが、その後第二弾の巡検が岩手県岩泉の安家で行われ、私も案内者の一人として参加しました。こちらでも紹介されていますが、我が研究室の公式な広報機関はこのブログですからね。ちゃんと紹介しておきましょう。

 でも、まじめな話はあちらに任せておきますね。


 さて、岩泉の安家地域では我らが高橋聡先生が卒論の頃から研究を行ってきました。

 というわけで、

高橋先生がメインの解説者を務めます。

 さらに、高橋先生にコノドントを教えた宮崎大学の山北先生も昔からこの地域の付加体を調査しています。

チャートを割ってコノドントを探す山北先生(左)と中国のコノドント専門家のZhao Laishi教授(右)。

 私もこの方々に野外でのコノドントの探し方を教わったのですが、山北先生や私がチャートを割ってコノドントを見つけているのを見て、海外からの参加者たちも次々と参戦します。
中国代表前衛。
中国代表後衛。
イギリス代表。
オランダ代表。


 結果は20対0くらいで日本代表の圧勝でしたね(笑)まあ、そんなにすぐに皆ができても困りますからねぇ。でもみなさん楽しまれているようで何よりでした。

 それに、良く晴れていたのもラッキーでした。コノドント探しに必要なの執念と光と信仰心少しの幸運ですから。


 参加者のみなさんのもっぱらの関心は、深海堆積岩層中のペルム紀−三畳紀境界です。そもそも、この時代に起きた生物絶滅事変を題にした会議ですからね。

深海堆積岩層中のペルム紀−三畳紀境界を前に。

 高橋先生は露頭だけでなく、我々の調査道具も自慢していました。

秘密兵器です!

 説明のあとには、皆で集合写真。

葛生巡検の集合写真よりも迫力があるのは、気のせいですね。

 高橋先生も満足そうですね。

 巡検2日目には、さらに古い石炭紀にできた深海堆積岩層も観察します。

石炭紀のチャートは、日本でも珍しい方です。

 草とネットの合間から見えるへぼい露頭を観察するというジャパニーズスタイルも、葛生から一緒の参加者は慣れてきたのかもしれません。


 それから、1日目とは異なるところにある、“もう一つのペルム紀−三畳紀境界”も見ました。こちらは私も初めてです。

大鳥集落付近にある“もう一つ”の方。

 ペルム紀−三畳紀境界はもちろん皆の注目の的でしたが、そもそも深海堆積岩の層状チャート自体が海外の研究者にとっては珍しいものなので、堆積物としての特徴についても色々と質問を受けました。

日本の地質の「当たり前」を知らない地球科学の専門家に納得してもらえる答えをするのはなかなか能力が試されます。

 2日とも晴天に恵まれ良かったです。

ペルム紀のチャートの上で記念撮影。


 見学後にはいつも調査の拠点としている安家松林の集落内にて休憩しました。この巡検自体も岩泉町の皆様に大変なご協力を頂いて成立しました。感謝が絶えません。

修復されたばかりの路肩が見えています。

 昨年の台風被害の爪痕も残る中、巡検を受け入れてくださったこと、ありがたい限りです。最後に参加者の多くはお礼の気持ちもこめて集落内の売店でビールを買ってお金を落として行きました。


 それでは、ごきげんよう。さようなら。

2017年6月30日金曜日

週刊葛生 第七十一号 調査の後始末編

 みなさんこんばんは。博士2年のMです。

 東京は雨ですねぇ。

「お前が東京に帰ってきたから!」

 って思ってるんじゃないですか?私がいた間、津久見は大雨から守られていましたよ?


 そもそも戻ってきたことを知らないって?それもそうですな。


 昨日大分から運転して、
津久見−福岡空港間は下道で250 kmです。

 福岡から飛行機で夕方に東京に帰りました。


 今回は、調査から帰った翌日に起こる様々な出来事について書こうと思います。


 調査が終わったら一息、とはいかないんです。


 まあ、とりあえず大学に出勤しますね。疲れたので社長出勤ですが。

雨ですね。いやだな〜。

 屋根付の駐輪場はわずかなので、仕方無くチャリには濡れてもらいます。


屋根付駐輪場はいっぱいです。
 我が大学は盛んに新しい建物を造っておりサグラダファミリアですが、そのうちいろんな駐輪場に屋根をつけてくれるでしょうか?

 研究室では、まずこれが始まります。

会計士になります!

 領収書の整理です。研究費で請求するものとそうでないものが混在してますからね。必要なものはコピーを取ったり事務に提出したりします。パソコンは自分の研究費およびポケットマネーの経済状況を把握するためのエクセルを開いています。

 これでだいたいおやつの時間になります。ちょうどその頃

サンプル襲来。多い時は一台の台車で運べません。

 郵送したサンプルと調査用具たちが届きます。

 これらを運んで行きます。
運びます。
運びます。。
運びます。。。



 運ぶ先は、標本保管庫です。

地下に保管庫があります。

 ここで荷解きをします。

段ボールを明けて中のサンプル袋を明けます。
何でしょう?
 何やらクモに捕まった虫みたいなのが入っていますね。

開けると石が出てきました。

 壊れやすいサンプルを包んでいたのですね。

 中には

「臭っ!」

 密閉されて香りを発し始めているものも。だからこうして開いて乾燥させるのが大事なんです。


 これで終わったと思ったあなた。

「まだまだ終わらないぞ!何リラックスしてんだ!」

 このあとフィールドノートを使います。

ノートを取り出してパソコン室へ行きます。

 何をするかと言うと、

1ページずつスキャンします。

 スキャンです。画像データとしても保管しておくためです。

 スキャンにも時間がかるので、ちょいちょい同時に作業をします。

自分のパソコンを同時に開いて時間を活用します。

 何か背中に書いてありますね。


大分のお土産です。

 じゃあブログ書くなよ、って話ですね。


 こんな調子で調査の翌日はほぼ何も生産せずに終わります。

 それでは、ごきげんよう。さようなら。

2017年6月25日日曜日

週刊葛生 第七十号 チャートのぐちゃぐちゃ続編

 みなさんこんばんは。博士2年のMです。


 前回の学会の巡検には続きがあるのですが、それはまた別の機会にすることにしまして、今回は再び調査先からの生放送です。


 私は今度は一気に南へ移動しました。


温泉だらけです。ハゲの温泉?

 どこだかわかりますか?




 大分ですね。大分と言えば、津久見です。


実際はこの看板はわりと津久見の奥にあります。


 福岡から運転すること200 km超、鉱山が見えてくると津久見に戻ってきた実感が湧きます。


石灰鉱山の町です。

 以前に津久見から地層の変形した様子を紹介したことがありましたが、今回はその続きです。海岸の露頭ではチャートの褶曲などの変形がよく見えるんです。



三重に折れ曲がっています。
 どこぞのコンテストに出そうですね。


褶曲の軸部は砂と礫に埋もれています。
 この写真では、砂礫の下に更なるぐちゃぐちゃが眠っていそうです。


断層のそばでチャートの層が破断しています。
 こちらの褶曲は断層にともなっています。


これは一体何が起きたんでしょう。
 もはや狂気を感じます。



白いチャートにあったはずの層理面はどこへ行ったのでしょう?
 こちらは褶曲ではありませんが、チャートの堆積環境を解釈することの難しさを感じる一枚です。


 地層を調べて行くと昔のことがわかるというのは当たり前のように思えますが、チャートから昔のことを聞き出すのはそれほど簡単ではないですね。

 まあ、チャートとしては、「吾輩は2億年以上前から変形を続けてきたんだ。数十年しか生きていない貴様などに今更変形を戻される筋合いは無いわ。」と思っているのでしょうね。




 最後に、おまけでこちらの写真を。


全部で800円くらいです。

 やっぱり津久見にきたら刺身ですね!


 それでは、ごきげんよう。さようなら。