2017年4月22日土曜日

週刊葛生 第六十五号 Waiheke島上陸編

 みなさんこんばんは。博士2年のMです。


 前回はオークランドに戻った話をしましたね。

 調査後半の日程は、オークランドの近くにあるWaiheke島というところで調査を行いました。

 オークランドからWaihekeへはフェリーで行くので、まずは朝ホテルからフェリー乗り場へ向かいます。
オークランドのフェリー乗り場近く。

 フェリー乗り場には早めに着いているので、フェリーが出るまでは優雅に時間をつぶします。

ジェラートを食います。別に、これを食べるために早めに着いている訳ではありません。

 こちらはまた別の日の写真。

いかなる時も優雅。それがニュージーランド流。

 食べていたらカモメが頭に乗ってきました。

そっぽ向いてごまかしています。

 Waiheke島へ向かうフェリーはWhangaroaで乗っていた船より大型で、観光客用のものです。スピードも結構速く、屋上にでると風で吹き飛びそうです。

オークランドが離れて行きます。

 道のりでは、オークランドの沖に浮かぶ火山、Rangitotoが見えます。

新しい火山なので、奇麗な形です。

 また、他にも景色のいい島を通り過ぎて行きます。

何の地層でしょう?砂泥に見えるけれども…

 そうして、40分ほどかけて目的地であるWaiheke島に到着します。

ここもまた長閑そうで良い島です。

 到着すると、他の観光客たちとともにゾロゾロと船を降ります。おっと、我々は観光客ではないから、「他の」は余計ですね。この島には多い日で人口の倍くらいの観光客が来るそうです。

グラサンをかけた怪しいオヤジがこっちを見ています。

 この島は一部には元の自然に近い風景も残るスポットで、ハイキングコースなどもあります。ちなみに、ワイナリーやカフェもいくつかあるそうですよ。

 
なかなか奇麗な緑のある島です。

 ちなみに、Waihekeというのは勢い良く流れ落ちる水、と言う意味だそうで、豪雨が起こるところであることを言っているんじゃないかと、タクシーの運転手が教えてくれました。

 私はワイナリーやカフェには行けませんでしたが、こんなものを見つけました。

なんだか日本の奴らとあまり変わりないですね。鳴き声は違いましたが。

 さて、今日はもう遅いのでこの辺りで。次回はWaihekeの地層を見て行きましょう。


 それでは、ごきげんよう。さようなら。

2017年4月8日土曜日

週刊葛生 第六十四号 豪雨のオークランド編

 みなさんこんばんは。博士2年のMです。


 前回まで話したように、Northlandの調査は雨でだいぶ妨害されたのですが、海外では日程はあまり変更できるものではないので、仕方なく次の調査地へと移動して行きました。

大雨で茶色く濁ったWhangaroa湾を背景に、荷物を積み込みます。

 向かう先は、ニュージーランド最大の都市、オークランドです。

 来た道をずぅっと戻ってひたすら運転します。

なかなか好い森ですなぁ。
ホビットが住んでいそうですなぁ。
をっ!露頭ですなぁ。

 しばらく雨は降っていなかったのですが、オークランドに近づくと。。。

あれ、降ってきた。

 どうやら、南へ去った雨雲を我々が追いかけてきてしまっていたようなのです。

雲に霞むオークランド。首都ではないですが最大の都市です。

 オークランドに着くと雨は一度収まってくれ、皆で中華のテイクアウェイを食べながら、翌日からの好天を願います。

すごい大家族です!

 しかし、願いも虚しく。

手前に見えているのはホンダのフィットですね。ニュージーランドは日本車が多いんです

 たまたまこの日は予備日だったので、まだ良かったですが、この豪雨では町を歩くのもたいへんです。


 しかし、それでも果敢に町を練り歩きます。

こんな日は、二つに一つ、濡れないように着込む(右)か、濡れてもすぐ変えられるようにほとんど何も着な
い(左)か。あなたはどっち派?

 さあ、せっかく時間ができたので、優雅にショッピングにでも行きましょう!そう、いかなる時も優雅!

町には巨大なキーウィが。
モアも。
そんな中放散虫が飛び出る本を見つけた方が!

 こんな天気が続く中、ここから先の調査は、一体どうなったのでしょう?それは次回以降のお楽しみ。


 それでは、ごきげんよう。さようなら。

2017年4月1日土曜日

週刊葛生 第六十三号 Mahinepua半島編

 みなさんこんばんは。博士2年のMです。

 新年度なので、博士2年ということで良いのでしょう。たぶん。


 前回話した通り、Arrow rocksには一日しか行けなかった訳ですが、付近の別の調査地には行くことができました。それが今日お話しするMahinepua半島です。

 Mahinepua半島は、宿舎があるWahngaroa湾の奥から、Arrow rocksがある湾の入口を越えて少し外洋側にある半島です。

 ここは自然保護区のようになっており、たいへん奇麗な景観が見られます。

Lord of the Ringsとかに出てきそうです。

 半島全体をハイキングすることもできますが、われわれは半島の中程で外洋側の海岸庵、地層の観察をしました。
半島の先の方を望む。

 外洋側と言うこともあり、露出はかなりすばらしいです。

海岸に広がる広大な露頭。

 写真で見えているのは、中部〜上部三畳系の珪質泥岩です。

 チャートもあるのですが、

足下の泥岩とは断層で隔てられ、崖には赤い変形したチャートが露出しています。

 ここではぐちゃぐちゃに変形してしまっています。

 この日はあいにくの天気だったのですが、具合のいいことに洞窟があり、皆でこの中に入って昼食をとりました。こうすれば濡れずに休憩できますね!

いかなる時も優雅。

 より北側の若い地層の方へ歩いて行くと、泥岩の間に何やら色が違うものが入ってきます。

緑の泥岩に挟まる淡緑色の砂岩層。

 これは、砂岩です。下面がシャープで上面は泥岩に漸移しています。また、砂の中でも上の方が細かくなる上方細粒化が見られます。海底の斜面を流れ落ちた砂や泥が、大きいものから順に堆積してできた、タービダイトですね。

 間の泥岩の中を良く見ると、生痕化石も入っています。
生痕化石発見。
 しかも、生き物が穴を掘りながら自分の背後を泥で埋めて行った時にできる縞模様が見えています。

 指導教員も夢中に撮影。

これはあまり優雅ではないかもしれない。。。

 さらに、時折泥岩の中にこのような黒い塊があります。

折れ尺の左に見える黒いパッチがリン酸塩のジュール。

 これは、リン酸塩のノジュールだそうです。この中から良い放散虫が出るので、宇都宮大のグループはこちらを集めていました。


 帰りは来た時と同じく、崖を歩いて行きます。
崖に挑む兵庫教育大組。
ちょっとした難所です。
 皆結構タフなんですね。
宇都宮大組。

 しばらくするとここは潮が満ちて通れなくなるそうですが、本日は無事撤退成功。


 帰りに砂浜によりました。

 
一度やってみたかった。

 雨の中調査を頑張った日は、たくさん食うに限ります。
指導教員のステーキ。レンガみたいです。

私のポークリブ。


 それでは、ごきげんよう、さようなら。

2017年3月25日土曜日

週刊葛生 第六十二号 いかなる時も優雅編

 みなさんこんばんは。博士1年のMです。


 ニュージーランドシリーズの続きです。

 前回話したように、Arrow rocksに向かったうち初日は無事に調査ができたのですが、

 実は、Northlandはわれわれの滞在中大嵐に見舞われ、それ以外の日はArrow rocksに到達することすらできなかったのです。。。

 こちらはArrow rocksに向かった二日目の写真。

写真ではわかりませんが、遊園地のように揺れていました。

 雨はまばらなのですが、波が高すぎて上陸が不可能だと判断。撤退を余儀なくされたのです。

無念の帰港。

 この日は、皮肉なことに午後になると波は収まりませんが日差しが強くなりました。宿で指をくわえているのも何なので、

カフェです!

 40 km離れた近くの町まで車で行き、カフェに行ったり、

本屋です!
 本屋に行ったり、たいへん優雅な時間を過ごしました。

オサレで優雅ですね。

 さらにこれは別の日。

普段は海の向こうに対岸が見えています。

 もはや写真では良く分かりませんが、湾の向こう側が見えないほどの雨に襲われています。この日は船に乗るまでもなく中止。


 しかし、いかなる時も優雅。バルコニーで蜂蜜をなめながら紅茶を飲みます。

有名なManuka honeyと紅茶。

 さらに、少し雨が収まったのを見計らって給油などのため、果敢に町へ向かいます。

道路がちょっと冠水していました。

 Northlandでは12週間ぶりの雨で、はじめは農家の方々が喜んでいたそうですが、過ぎたるは何とやら、ですね。


 町ではついでにまたカフェに。

再びカフェに。いかなる時も優雅。それがニュージーランド流。

 帰ってくる途中、川が道路に届きかけているところもありました。

川がはみでています。

 雨がここでやんでくれて良かったです。

飛べない鳥、ではなく「飛びたくない鳥」プケコ。

 結局、予定していた4日のうち1日しかArrow rocksに行けなかった訳ですが。めげてはいけないということですね。どんな時も、心を豊かに。


 さてさて、Arrow rocksに行けなかった日も、のんびりしていたばかりではありません。次回は、Arrow rocksの代わりに行った調査地の話をしましょう。


 それでは、ごきげんよう。さようなら。

2017年3月16日木曜日

週刊葛生 第六十一号 Arrow rocks上陸編

 みなさんこんばんは。博士1年のMです。

 今日は、ニュージーランドシリーズの続きです。


 忘れないうちに、まじめな調査の話をします。

 今回調査に行った場所は二箇所あるのですが、先に行ったのはニュージーランド北島NorthlandのWhangaroaと言う町に近いArrow rocksと呼ばれる島です。Oruatemanu島とも言われます。

 ここにも、私が日本で調査しているチャートや粘土岩と同じように陸から遠く離れた深海底で堆積した地層が残されているのです。一方、日本で見ている地層よりもかなり南で堆積したことがわかっています。同じ時代の、似たような深海底、ただし遠く離れた場所で堆積した両者を比較してみようと言うことです。


 さて、前置きはそれくらいにして、

 Arrow rocksは陸からわずかに離れたちっぽけな島なので、宿泊していたWhangaroaから釣り船をチャーターして行きます。空模様は怪しげですが、とにかく出発。

空は不穏。。。

 Whangaroaは細長い湾の奥で、Arrow rocksは湾の入口にあるので、30分ほど穏やかな湾を進みます。
湾内は波が静か。

 湾の外に出て、船が大きく揺れ始めるとArrow rocksが見えてきます。

差し渡し100~200 mの小さな島。

 釣り船では島に近づけないので、浴槽くらいの小さいボートに移って上陸します。



 さてさて、ここから露頭写真来ますよ。


 一番下側の地層は、海底で噴出した溶岩(玄武岩)です。ところどころ石灰岩が取り込まれています。未固結の石灰質堆積物に溶岩が貫入したと言われています。

玄武岩(黒い部分)と取り込まれた石灰岩(赤い部分)。

 その上には、あれ?

珍客。いや、こっちが珍客で向こうは常連か。
 予期せぬ出会いがありました。オットセイの仲間でしょうか?体長は2 m以上あるやつで、起き上がって吠えてきた時はちょっと戦慄しましたが、うまく間合いを取りつつ海に追いやることができました。

「もう、人間はキライ。」
 近づかない方がお互いのためですね。


 玄武岩の上側には、赤い泥岩、そしてチャートがあります。
赤色泥岩(奥)と赤色・灰色チャート(左)。そして宇都宮大のグループ。

 日本の同時代の深海堆積岩は粘土岩なのですが、ここではカッチカチのチャートなんです。

 チャートは、下の方は黒や灰色が目立ちますが、上に行くにつれて赤いチャートばかりになります。

黒や灰色のチャートから赤いチャートに変わる部分。

 調査をしているうちに、晴れ間が出てきました。

ひとまず、天気はもちそうです。

 一通り地層を見たところで、サンプリングです。高橋聡先生に手伝ってもらいながら、急ぎます。なぜなら、翌日以降の天気が怪しく、また来られるかわからないからです。

協力してサンプリング。

 一緒に調査するのは久しぶりですが、コンビネーションは抜群。ホントですよ。

 サンプルを採っていて気付いたのですが、日本と違ってここにはフナムシがいません。Arrow rocksサイコー!

 しかし、日本と同じで潮は満ちてきます。

潮との戦いは万国共通。

 2枚前の写真と比べてください。もうこんなに上がってきてしまった。もう少しサンプル採りたかったのに…

 露頭が海に覆われてからは、釣り船がくるのを待ちます。

救助を待つ漂流者たち。

 行きと同じく、ボートで船まで往復しながら戻りますが、帰りは波が高く、ボートを操縦する船長以外に1人しか乗れなかったので、全員を船に収容するまで40分かかりました。

めちゃくちゃ揺れながらボートを見守る。ボートの小ささがわかるでしょうか?

 一番最初に船に戻って待っていた私は揺られ続けていささか酔いました。


 おっと、ずいぶん長くなってしまいましたね。続きはまた次回。

 ちなみに、もう既に帰路に就き香港にいます。が、もうしばらくニュージーランドシリーズで引っ張ろうと思います。

 はたして、残りのサンプルはとれたのか?

 それでは、ごきげんよう、さようなら。