2016年11月25日金曜日

週刊葛生 第五十号 寝坊編

 みなさんこんばんは。博士1年のMです。


 京都調査中のある朝の話です。私は快適な宿のベッドで寝ていました。何度か目が覚めかけたのですが、「まだ目覚まし鳴ってないし」と思って寝続けていました。
良い夢を見よう。。。


 ところが、何度目かに眠りが浅くなったところで、気づきました。


 「窓の外が明るいなぁ。」


 おかしいんです。なぜなら私の計画では
「夜明けとともに娘を乗せて出発だ!」
from『天空の城ラピュタ』


 そう、日が短いので黎明のうちに起きて早く出るようにしていたんです。

 時計を見てみると・・・


 「目覚ましかけ忘れたか!」と思ったんですが、解除された形跡が有りました。一応起きたんですね。私は。

 あわてて出て行き、露頭に向かいましたが先日まで朝飯を食べていた林道の入口についた頃にはお天道様はだいぶ昇っていました。

ブランチとまではいかないが。
前日の同じ場所と比べると日の高さの差が良くわかる。

 露頭に着く頃にはずいぶん日も高くなり、すぐに昼飯時に。

露頭についたらもう10時過ぎ。

 へこみましたね。しかし、過去のことを思っちゃダメなので、

「椀を出しなさい。まず食わねば。」
from『もののけ姫』
またまたイノシシ昆布ラーメン。ジコ坊ごちそうさま。

 気を取り直して頑張りますが、予定を消化するには時間がやはり足りぬ。

居残り。

 予定より暗い中林道を歩くことになりました。早起きは三文の得、ですな。


 何はともあれ、無事に下山して夜はいつもどおりビストロを開店できました。

風が遮られるところで飯を炊くのが良い。

 飯を食っているとだんだん元気になります。眠くて起きられなかったということは、そもそもかなり疲れが溜まっていたということ。だったら調査に出て行くのは危険ですね。

 寝坊も自己調節機能だってことです。そういうことにしとこう。


 記念すべき五十号も何だか小さい話でしたね。


 それでは、ごきげんよう。さようなら。
 

2016年11月19日土曜日

週刊葛生 第四十九号 晩秋の京都編

 みなさんこんばんは。博士1年のMです。


 久々に生放送です!

 今、京都に来ています。場所は京都市の北の方で、ちょうど紅葉が見頃です。

真っ赤です。

 秋も更けてきていますね。おかげで朝の気温はこんな。



 今日は少し暖かかったですが。

 お宿はこちら。
京都府立ゼミハールハウス あうる京北

 一泊¥2,000というのは嬉しい。ただし、4人以下だと泊まれない場合もあるらしく、今回はラッキーでした。

 調査地には、途中まで車で林道を行きます。

林道沿いも紅葉が奇麗。

 ちなみに節約のため自炊していますが、
朝飯!
イノシシ昆布ラーメン

 ガスの残量が危うし。


 車は途中までで降りて、あとは歩きます。なぜなら

崩落地

 ずいぶんな荒れ様だからです。

こんなのがいくつもある。

 崩落した林道を紅葉が彩っております。


 そして振り返れば谷間から見える山は真っ赤に染まっています。

上の方は広葉樹。

 露頭は、林道脇を流れる沢沿いに出ています。

沢沿いの露頭。

 谷が深いので午後の早い時間からもう日が当たらなくなるのですが、暗くなると少しばかり心細いですね。
15:30にはもう暗い。

 しかし、山には愉快な仲間たちがたくさんいるようです。時折足音が聞こえてきます。最近は近くで熊さんが出しゃばっているらしいので、林道は鈴を鳴らして高らかに歌いながら時々吠えたりして歩いています。


 それでは、ごきげんよう。さようなら。

2016年11月11日金曜日

週刊葛生 第四十八号 犬山調査編

 みなさんこんばんは。博士1年のMです。

 前回は犬山の薮について愚痴りましたが、今回は調査の本番についてです。


全面露頭です。

 犬山は、確かに薮は濃かったのですが、露頭に着いてしまえば結構な眺めです。


 もはや、露頭が広すぎて自分がどこにいるのか分からないくらいです。そんなときは


地図では粗すぎるので航空写真が頼り。


 先行研究の航空写真を使って周りの地形を見ながら自分の居場所を探します。


 ちなみに、犬山の名物は台湾混ぜそば。
岐阜側にあるラーメン21番


新鵜沼駅近くのとある店。

 実はどっちの写真も犬山市の店ではないのですがね。おいしいし、それなりにボリュームもあります。が、毎日買っていては高いので。
ラーメン
 だんだんこういう昼飯になります。


 それはさておき、調査ですが、まず露頭をこんな具合にしていきます。


 遊んでる訳じゃないですよ。紅いテープは断層、青いテープは褶曲なんです。
断層テープ
褶曲テープ

 こうして地質構造が解るようにし、見終わったらノートに露頭をスケッチしていきます。
余ったテープは荷造りに。

 露出も良いので仕事はしやすいのですが、こんな問題も。


波の下にも、露頭はあります。

 数時間強い雨が降ると、川は2 m以上も増水するんです。そうすると見ていた露頭は川の下に。水が下がるまでは2、3日かかります。


 最後におまけ。

 犬山地域ではなく、少し北の上麻生地域になるのですが、飛水峡というところがあり、そこにも行ってきました。ここは凄いんです!
天然記念物なのでハンマーは使えない。


飛水峡の甌穴群。

 まるで物語の世界のような風景です。


甌穴を一つアップで。

 これは、流れの中で石がぐるぐる回って岩を削ってできる甌穴ですね。

 飛水峡、オススメスポットです。
最後に、頑張ってくれたボロ車。


 それでは、ごきげんよう。さようなら。

2016年11月4日金曜日

週刊葛生 第四十七号 犬山の薮編

 みなさんこんばんは。博士1年のMです。

 ずいぶんと更新をさぼってしまいました。10月は一度もしていなかったですね。


 ネタが無かった訳じゃあ無いんですよ。ですが、あまり遡って行っても微妙なので

「過去のことを思っちゃダメだよ。」

 わりと直近の調査の話をしましょう。

 10月の第二週から第三週まで、愛知県の犬山に行っていました。ここは日本のチャートの研究の中心ともいうべきところなのですが、じつは今回遂に、初めて犬山を攻撃訪問することになった訳です。

 さて、なぜ日本のチャートの研究が犬山で最も盛んなのか?それは、こちらをご覧になれば解るでしょう。

桃太郎神社付近のgoogle map航空写真


 そう、航空写真でも見えてしまうほどの広大な露頭と、比較的変形や変成の程度が低いためです。

 かなり町が近いこともあり、私のイメージでは宿からちょっと移動して河川敷に降り立ち、オーすげー露頭だぁー、っていう感じでした。

「何勘違いしてんだ!?」

 こちらが実際に行った時の写真。



前はここを通ったらしい。
最初に辿り着いた露頭も薮に埋もれそう。。。


 もうとにかく薮が凄いです。一体あの下馬評は何だったのか?結局、葛生等でやったように、武器を取り出して薮を切り払いながら露頭を目指す始末でした。


 次回も犬山が続きます。

夕陽に映える国宝犬山城


 それでは、ごきげんよう。さようなら。

2016年9月17日土曜日

週刊葛生 第四十六号 地質学会秩父帯北帯巡検編

 みなさんこんばんは。博士1年のMです。


 今回は、大釜大工事後編、ではなく、つい先日行われた地質学会の巡検の話です。大釜の工事は、また進展があったら続報を。


 さて、9月10日から12日まで私も参加した地質学会が桜上水で開催されたのですが、地質学会は毎年開催地の周辺地方で巡検が行われます。その巡検先の一つが私も良く行く秩父の秩父帯北帯と言うことで、これは参加しないわけにはいかない。


 はじめに全体の感想を言ってしまうと、もうとにかく有意義な時間でした。東京に引きこもりがちな我が大学の人間にとっては、秩父帯北帯というちょっとややこしい地質にフィールドで真摯に向き合い続ける方々と時間が共有できるのは貴重な体験です。人数は少なかったのですが、かえって一人一人の参加者と良くお話ができて最高でした。

 さてさて、らしくない解説文はこれくらいにして、写真で紹介して行きましょう。

 まずいきなり、荒れ気味の道を沢まで降りて行きます。

なかなか普通の人にはついて来れない巡検かもしれない。

 地質構造がぐちゃぐちゃな付加体の調査は、とにかくありとあらゆる沢をつめまくるのが基本なので良くある光景ですし、巡検参加者は皆付加体で研究をする少数精鋭。と言うことで何ら問題無し。

直前まで降っていた雨で沢が増水。

 まずは、変形激しい泥岩の露頭を観察します。ところが、雨で沢が増水しているため、露頭は対岸から。まあ、遠くから観察するべきですね。まずは。


 つぎに、これは巡検のハイライトですが、群馬県の埼玉県境近くにある叶山鉱山です。普段は入れない石灰鉱山を中から見られました。

叶山鉱山の採鉱場。
ダンク!!

 この穴に、採掘した石灰石を落として行き、それが下で回収されて、ベルトコンベアーで工場まで20 km以上運ばれて行きます。

筑波大学の久田健一郎先生(左から2番目)と冨永紘平くん(右から2番目)

 こちらは、巡検案内者の冨永くんと久田先生。とても段取りよく解説してもらいました。

 ちなみに実はこの鉱山、以前に週刊葛生で紹介したこともあるんですよ(プッシュ)!

 次に、鉱山の北側の沢に向かいましたが、ここでは断層で切られた石灰岩の北縁と、それに接する泥岩や玄武岩を見ました。
左の石灰岩の橋に沿って沢が流れる。


 そして初日を終え、小鹿野町の温泉で一泊。

100人以上泊まれるらしい。


 そして翌日は、まずは浦山ダムを見学。全国で2番目に高い重力式コンクリートダムだそうです。
下から見上げる浦山ダム。
ここから入り、エレベーターで上がれる。


 この後周辺の地質の見学もしたのですが、ダムができる前には奇麗な沢が流れていて、そこを調査したものだと、久田先生が懐かしげに話されていました。そして、ダム建設に当たってはそうして調べられた地質の情報もかなり重要な役目を果たしたそうです。
ダムの上から眺める秩父盆地。

 その後、今度は皆野町の沢で露頭を観察します。この辺りは、秩父高校の関根一昭先生たちが沢と言う沢を歩き倒しておられるそうです。
『滝と指導教員』

冨永くんと久田先生。なんだか良い師弟関係。

 山が低いとはいえ、何とも骨の折れる作業です。さらに、年代を決める示準化石の放散虫を石から抽出するのにもたいそう苦労されたとか。
こんな露頭まで丹念に調べて放散虫を絞り出す。


 そして、最後に向かったのは小川町の露頭。これまたとんでもないところにありました。
斜面上に突然現れる露頭。人物は秩父高校の関根一昭先生。

 しかし、個人的にはこの藪の中に隠れた露頭には何とも秩父を感じ、テンションが上がりました。


 毎年、地質学会は結構楽しいですね。

 それでは、ごきげんよう。さようなら。