2017年1月20日金曜日

週刊葛生 第五十五号 レンタカー編

 みなさんこんばんは。博士1年のMです。


 今日は私のセミナー発表で、2時間立ちっぱなしでいささか疲れました。


 さて、今回は、調査の準必須品でもあるレンタカーについてお話ししようと思います。


 無論、レンタカーは常に必須品なわけではないですが、これが有るのとないのとでは機動力と運搬力に絶大な差が出ます。

 そんな、足にもなり、倉庫にもなり、雨宿りの場にもなり、たまには食堂や住居にもなる車ですが、みなさんはもし調査にいくならどんな車を借りますか?


 私の答えは簡単ですね。



 ずばり、安いやつ。

 レンタカー代ってのは出張費の半分以上だったりしますしね。

 そこで、借りるのはコンパクトカーが多いです。

ヴィッツ (トヨタ)
ヴィッツ 乗員2人までなら荷物も十分載る。
 一番使用頻度が高いですね。小さくて小回りが利きますし、林道で切り返しなんかも楽です。あと、個人的にフロアシフトでサイドブレーキがレバー式がなじみやすいので、ヴィッツは扱いやすいですね。


パッソ (トヨタ)
 何度か乗りましたが、昔なので印象がないです。こんなかわいい感じの車、山に連れてって良いのかな、と思った覚えは有りますが。コラムシフトなのでヴィッツとの選択で選ばなくなりました。


フィット (ホンダ)
 コンパクトカーの中では、フィットは少し車体が長めです。なので荷物も他より多く載ります。しかし、長い割に小回りはヴィッツとかと同じくらい利く気がします。ハンドルの効きが良いように思いましたね。


 ここまでは、多分一番安いクラスですね。ですが、探してみるともうワンランク上も同じ値段で借りられたりします。

ラクティス (トヨタ)
ラクティス 荷物が多く載るので調査用具とサンプルが多い時に便利。
 高さが有り、荷室も広いので3~4人以上乗っけて短期の調査なら、これくらいがベストかもですね。荷物がおおいなら2人でもこのサイズでしょう。なんだか見た目も頑丈そうで好きです。インパネシフトでサイドブレーキはフットペダルなんで、運転席周りも広めに感じます。癖でフロアシフトのところに手をやってしまい、飲み物をとっちゃう。


ファンカーゴ (トヨタ) でこぼこの激しい林道では座礁の危機。
 確か今販売されていないので、中古車のレンタカー屋限定です。床が低く、座席下に収納があったり足を伸ばしやすかったりしますが、その分最低地上高が恐ろしく低いので、荒れた林道での調査には向きません。

ラウム (トヨタ)
 これも中古でしか借りられないと思います。後部席のドアがスライド式というちょっとしたネタをお持ち。車内の容積はフィットかちょっと小さいくらいに感じます。


モビリオ (ホンダ) 扉全開で冷却中。
 これは、ミニバンでしょうかね。四角いです。一度しか乗ってませんが、やたらに視野が広く、頭上のスペースが広かったです。荷物も多めに載りますかね。


 レンタカー屋によっては、さらに上のクラスも比較的安めに借りられたりします。

カローラフィールダー (トヨタ)
カローラフィールダー 上部に取っ手付き。
 5人乗りと7人乗りが有ります。長期の調査で3人以上ならこれくらいのサイズの方が良いですかね。その分の荷物も載ってきますからね。車体長めですが、少し狭い林道でも場所を選べば切り返しできます。

ストリーム (ホンダ)
 カローラフィールダーと同じクラスですが、若干大きいです。5人以上になってくるとストリームの方が好いですね。荷物載るかっていう問題も出てきますが。以前乗った車両は、坂道を全然登りませんでした。


ウィッシュ (トヨタ)
 たいていのレンタカー屋ならウィッシュはカローラフィールダーやストリームよりワンクラス上になるようですが、そのお金の分広くなっているかと言われると、微妙な気がしますね。


プロボックスバン (トヨタ)
 最後に変わり種。これは業務用バンで、後部席は基本人を乗せずに倒すので、後方に広大なフルフラットの床が有ります。ここ、180 cm近い長さが有るので、巨漢でなければ車中泊できちゃうんです。最低地上高も15 cmあるので、ダートの林道に入って行って、これをベースキャンプに調査、なんてのも可能ですね。


 なんか、よく見たらトヨタとホンダだけですね。


 それでは、ごきげんよう。さようなら。

2017年1月13日金曜日

週刊葛生 第五十四号 西丹沢を放浪編

 みなさんこんばんは。博士1年のMです。


 そして、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。

 そしてそして、皆様のお陰で週刊葛生は先週をもって二周年を迎えることができました。


 二周年で第五十四号と言うことは更新の頻度は…





 ね。



 まあ、それはともかくですよ。先週末は三連休でしたね。学位論文提出の方々にはそんな事関係なかったかもしれませんが、私は西丹沢に2泊3日で行って参りました。


 具体的には、世附川という川が流れる、北を山梨の道志、南を静岡の駿河小山に挟まれた、神奈川最果ての地です。


世附(よづく)川
支流の沢。水が多く、緩やかな沢に木々が生える奇麗なところです。


 神奈川県にもこんな滅びた寂れたところがあるんだなぁと思ってしまうようなとこです。

 さて、何をしに行ったかというと、


世附川沿いに露出する緑色片岩。

 上の写真、岩が緑色ですが、表面に生える苔の色ではありません。これは、海底火山から噴出した火山灰や溶岩のかけらが、地下数kmの場所で変成されて緑色の鉱物が多く形成されたから緑色なんです。

 丹沢山地には、このように一度地下深くで変成された岩石がまた地表に出てきて広く露出しています。今回は、それをちと見学してきました。



 さらに面白いことに、あまり深くまで移動せず、強い変成を受けなかった、言わば「半生」の岩石も見られます。


赤褐色の溶岩(上)と火山礫と火山灰からなる火山砕屑岩(下)。
丸い灰色の火山礫がやや緑がかった凝灰岩基質の中にあります。火山礫に入っている白いものは、礫のもととなった溶岩が発泡した気泡です。

 こういうところから、変成される前の「源岩」の様子が探れます。


 さらに、突然変成されていない岩石と変成された岩石が共存することも。


緑色片岩に明灰色の安山岩が貫入しています。

 変成岩が浅所まで上がってきたあとに、マグマが貫入したのですね。地質の難しさを感じます。


 そして、山の奥へいくとこんな岩も。


黒い鉱物である角閃石を多く含む角閃岩です。

 黒いですね。これは、緑の岩石と同じ程度の圧力(つまり地下の深さ)で、より高温に変成されるとできる岩石です。では、なぜ高温になったのか?


 それは、さらに沢をつめて行くと分かります。


閃緑岩。

 花崗岩(厳密には閃緑岩に近い?)ですね。しかも、かなり大きい岩体です。丹沢トーナル岩体、などと呼ばれ、西丹沢の山々のうち道志村と山北町の境付近はこれでできています。

 この花崗岩のもととなったマグマが、周囲にあった緑色の岩石を熱して黒色の岩石に変えたんですね。

 また、沢の源頭部では、このような基盤岩の上に堆積した富士山などの火山灰も見られます。
赤褐色は風化した火山灰、白色はパミス、黒色はスコリア。



 ところで、先ほどの写真に映り込んでいる御仁、同じ専攻の人ではないんです。大学1年の時からの知り合いで、良く一緒に山に行くのですが、彼は植物を専門としていて、私が岩を見ている間に植物を観察しています。


倒れた大木を見て着生した植物をチェックする御仁。



 可能な時は株を持ち帰ることもあるようです。こんな感じですね。


ナウシカ

 また、持ち帰った株は栽培するそうです。まさにこんな感じですね。


『風の谷のナウシカ』より。


 と言うことはですよ。我々のコンビは、こんな感じですね。


ナウシカ&ポム爺さん(from 『天空の城ラピュタ』)

 三連休は東京は雨だったようですが。
深いところでは10 cm以上。

 丹沢の山の中は雪でした。
雪の積もった沢。鬱陶しい、いや、美しいです。

 これから寒い日が続くのでしょうかね。


 それでは、ごきげんよう。さようなら。

2016年12月30日金曜日

週刊葛生 第五十三号 葛生化石館・続編

 みなさんこんばんは。博士1年のMです。


 パソコンはなんとか生きてます。



 今年最後になりますが、以前紹介した聖地、葛生化石館の紹介が超雑だったので、この間もう一度行った時に撮った写真をいくつか紹介しようと思います。

 外観は以前も見せたかもしれませんが、今は隣の建物の工事が終わってずいぶん奇麗になっています。

夏来た時は周りが工事中で良い写真が撮れなかった。


 ここ、館外にも展示があるんです。

何気なく落ちている石灰岩。
近づいてみるとフズリナがいっぱい。

これが、『君が代』にも出てくるさざれ石です。

 きっと、葛生の石灰業者が協力してこれらの展示物の採取とここまでの運搬をしてるんでしょうね。


 館内には、葛生でペルム紀の石灰岩が見られることにちなんで、古生代、特にペルム紀の化石の展示に力を入れています。

ペルム紀の世界です。日本では出ない珍しい化石も。

 葛生で出たものももちろん混じっています。三葉虫が出るとは!

中央やや下左。葛生から出た三葉虫。


 そして、忘れてはいけないのは葛生名物、石灰の展示ですね。これもきっと業者さんが協力しているんでしょう。

石灰にもいろいろあるんです。この辺は聞いたことあるでしょうか?
こっちはかなりマニアックな感じですね。


 まあ、都内からも近いことですし、ぜひ実際に行ってみてください。


 最後に、ついでに葛生を含む佐野市の名物、佐野ラーメンを。

佐野市に来たらこれを食わないと。

 それでは、ごきげんよう。さようなら。

2016年12月17日土曜日

週刊葛生 第五十二号 中津峡編

 みなさんこんばんは。博士1年のMです。


 かなり寒い季節ですが、実は冬はある意味フィールドワークに適した季節なんですよ?

 なぜなら、木々が葉を落とし、薮も治まって露頭がよく見えるからです。雪さえ積もらなければ、露頭を見るのにはいい時期なんですね。


 そんな訳で、先週末は奥秩父の中津峡と言うところに言って、地質の観察をしていました。まあ、別にこの季節に限らず秩父には年中行っていますが。

もうすっかり山は冬。

 中津峡と言うのは、荒川水系の上流部の支流、中津川が削った渓谷です。秩父帯南帯の地層がよく見えます。


 今や立派な林道が通っていますが、昔は荒削りな林道だったんですね。こういう旧道は、歩きやすく、かつ露出が良いです。

今はトンネルが通っている部分の尾根を迂回する旧道。


 とか言って油断していると、
突然道消滅。

 昔の林道ですからね。一部は崩れている訳です。


 ちなみに現在進行形で新しい林道も崩れて行きます。

護岸が崩れてます。

 通行止めにならずに通っているのは土木のおじさまたちの努力の賜物なんですね。


 ここは3年前の大雪の際には孤立化したところなので、土木のおじさまたちはそれにも備えているようです。

普通の重機ですが、「除雪作業中」と書いてありました。

 さて、秩父帯南帯の岩相をみてみましょう。
チャートと粘土岩の互層。変形してチャートがブーディン化しています。
泥質混在岩(下半分のベラベラした岩)とチャート(上半分のゴツゴツした岩)、間は断層です。
石灰岩。
これは砂岩ですねぇ。
高い石灰岩の岩壁。上の方の樹は、どうやって生えているんでしょう。

 基本的には海成の堆積岩がほとんどです。が、奥地の中津川集落に近づくと、変わった物が出てきます。

鋭い節理を持つホルンフェルス。

 これは、この辺りに貫入してきた花崗岩によって砂岩やチャートが焼かれてできた物です。そして、この貫入岩による変成帯の一部は金属鉱床になっており、20世紀後半まではそれが秩父鉱山で採掘されていました。

 悠久の時を感じますね。

 それにしても寒い。11時になっても5度です。

やはり山の中は寒いですね。

 帰りには、西武秩父駅の蕎麦屋さんで晩飯を頂きます。何度も来ているので、もう顔なじみになってしまいました。

秩父に乾杯!


 それでは、


 と言うところなんですが、最後にもう一つ。

 実はこの投稿、昨夜しようと思っていたのですが、昨夜はパソコンの電源を入れても画面には謎のピンクの縞模様やらが出るばかりでログインできず、今日になっちゃいました。次に電源を切ったら、もう二度と目を覚まさないかもしれません。。。

 ということで、次はいつ投稿できるでしょうか。


 それでは、ごきげんよう。さようなら。